「これだけ教えてほしいんですけど!」
こんにちは。家計相談担当の前野彩です。
先日かかってきた電話でこういうものがありました。
あいさつもそこそこに、わたしが電話に出るなり、
「今度家を買うんですけど、
明後日までに住宅ローンをすぐに決めなくちゃいけなくて、
固定がいいのか、変動がいいのか教えてほしいですけど」と
お話を始められました。
FPとして、そして、プロとして、
ご相談者さんに寄り添って相談を受けるためには、
ご相談者さんが置かれている状況がわからないと、
アドバイスをすることができません。
そこで、「買いたい物件が決まっているのですね。
固定金利と変動金利、どちらがご相談者さんに合っているのかは、
現在の家計の状況をお伺いしてからになります」と
お答えしようとしたところ、
最後まで言わせず、電話口からは
「時間がないので、固定金利か、変動金利かだけ教えてくれたらいいんです!」と、
いらだった口調での回答が。
そういわれても、FPの相談には、
倫理で学んだとおり、
相談の6ステップがあります。
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ステップ1:顧客との関係確立とその明確化
ステップ2:顧客データの収集と目標の明確化
ステップ3:顧客のファイナンス状態の分析と評価
ステップ4:プランの検討、作成と提示
ステップ5:プランの実行援助
ステップ6:プランの定期的見直し
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このお電話をくださった方は、
きっと、焦っていたし、急いでいたとも思います。
その状況は想像できますが、
ステップ1の信頼関係が築けず、データの収集もできないままでは
ご相談にお応えすることができません。
そこで、「弊社では、お電話だけでのアドバイスはしておらず、
必ず、お会いしてご相談者さんの現状の家計と
今後の予定などをしっかりとお伺いしたうえで、
お客様に合った住宅ローンをシミュレーションしながら、一緒に考えていきます」とお伝え……したかったのですが、
「お電話だけでのアドバイスはしておらず」のあたりで、
ガチャンと電話を切られてしまいました。
このブログを書くために、履歴を探ると、
通話時間19秒。
弊社は、ホームページにも有料相談であることを書いているので、
こうした電話は、めったにかかてきません。
そして、こうした問い合わせをされる方は、
わたしのお客様ではありません。
なぜなら、お客様は私を信頼していないと感じましたし、
わたしも、信頼できるお客様ではないと思ったから。
住宅ローンは、急ぎで相談にいらっしゃる方も多い相談です。
最短の時間で、最善のアドバイスをお答えするためには、
住宅ローンの知識と共に、
FPとお客様の相互の信頼関係が必要なのです。