借地の相談を受けたらどうすれば良いのか。

相続・不動産担当のエフピーコンパスの平井です。

借地の相談といっても、借主(借地権所有者)からの相談と貸主(底地所有者)では、考え方が大きく異なりますので、今回は、借主の方から借地の相談を受けた場合で整理をしてみました。

今回は、ご両親がお住まいになっていた借地を、二人とも亡くなった後も借り続けていたが、借地料の値上げの連絡があり、これをきっかけに、今後どうすれば良いのかとの相談です。
詳しく話を聞いてみると、借地契約書はなく、将来そこに誰かが住むことも考えていないので、借地を返却することも含めて考えたいとのご相談でした。

借地料の値上げの通知があったとしても、そこに住み続けるのであれば、値上げの承諾、値上げの金額についての交渉になるのですが、話を聞くとこれからも住む予定がないとの事でした。お話を伺った結果、今回は値上げの話をきっかけに、解約を検討することになりました。といっても、不動産の事は良く知らないし、初めての事なので、どのような形で話を進めていけば良いかとのお話です。

FPのテキストや書籍に書いてあるように、相続における財産評価は、路線価×土地面積×借地権割合=借地権の価額になります。

例えば、路線価が200Dの道路に面している100㎡の土地があるとすると。
更地評価では、100×200千円=2000万円となります。
借地権割合は、Dになりますので、60%です。
相続における評価は、借地権者が1200万円、底地所有者が800万円と計算されます。

相談者の方に、相続の評価で、1200万円の評価になりますと伝えても、その金額で借地権を売買できるものではありません。

借地の相談を受けた時に、あなたの借地の価値は1200万円ありますという数字の話をする時には注意が必要です。気を付けないと相談者の方は自分の借地権が1200万円で売れると思ってしまい、何も考えずに地主さんに1200万円で買ってくださいとの話をしてしまい、それまでの人間関係が崩れて、上手く解決しないばかりか、出ていくのであれば、建物を解体して更地にして出ていってくださいと言われかねません。

あくまでも、相続税における財産評価の金額は、この金額になりますが、実際の借地の売買等を行う場合は、物件の概要や借地契約の解約をどちらから言い出したか等、いろいろな要素が関わってきます。FPとしては、そういったことも含めて説明しておくことが大切です。

特に借地権を売買する場合には、地主さんの承諾が必要になりますので、簡単に買主を探すことが難しいですし、貸主さんとの人間関係も重要と言えます。
借地を専門にしている業者さんもおられますが、底地の所有者から土地を購入することはありますが、借地権者から借地権を購入する場合は、少ないのが実情です。

借地権は、その土地を利用し続ける限りは、非常に強い権利なのですが、借地権者が使用や利用しなくなった場合は、立場は弱くなると言えます。

借地を返したいからといって、借地人からの解約申し入れについても、特約がなければ一方的に解約することが難しく、貸主と借地人の合意による解約が必要になります。

一般的に借地契約では契約終了後、原状回復として、建物と取り壊して更地に戻すことになります。ということは、原状回復するのに解体費用が必要になります。木造であってもそれなりの金額になりますし、市内等に建っている連棟の建物の場合は、隣の建物との養生費用等が別に必要になり、相当な金額になります。

これまでにも、隣の方が借地権とその建物を購入したいということで、底地所有者と話をして、借地権譲渡の承諾料を支払って売買したこともありましたが、借地人から借地の解約の話を行った場合、一般的には、低い金額で借地権と建物を譲渡する場合や、建物をつぶさずに借地契約を解約する話などに落ち着くことになるかと思います。

FPとして借地の相談を受けたら、まずお客様の状況や物件や契約の内容を確認して、借地についての基本的な知識を持っていただくことが大切です。その借地を継続して借り続けていくのか、それとも借地を解消する方が良いのかを考えて、アドバイスをすることが重要です。
特に借地においては、人間関係が大切です。数十年に渡って借りていた土地に対する想いは借地人の方も、貸主の方にもあります。場合によっては、親の代で借りていた土地なので、次の世代の方同士の話し合いになることもあります。毎月の地代は払っているが、顔を合わせたこともないので、お互いに疑心暗鬼になっている場合もあります。

今回の相談者の方には、地代の値上げの事や借地権の基本的な知識、解約時の借地権の原状回復費用など、基本的な事を理解いただいた上で、まず最初に本人同士で話をしていただいて、相手に想いを伝えることが大切だとお話しさせていただいきました。

地代の値上げの金額が正しいかどうかは、相談だけではわかりませんので、必要に応じて専門家に相談したり、紹介したりすることになりますが、相談される方に、借地についての基本的な知識を理解いただくこと。相手の立場も考えて、出来れば本人同士でまず話し合いをすることを提案してみてください。

ただし、相手や状況によっては、弁護士や借地の専門業者に依頼する方が良い場合もありますので、相談者のお話をよく聞いていただいて、その方にとって適切なアドバイスをしていただければと思います。

ファイナンシャル・プランナーとして、相続・不動産にきちんと応えることができる知識と経験を積み、ネットワークを活かして、円満な相続を実現していきましょう。

 

 


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