不動産の売却時には、社会保険についても注意しましょう。

相続・不動産担当のエフピーコンパスの平井です。

確定申告の季節ですね。不動産の売却の時の社会保険等についての注意点を簡単に整理してみました。

不動産の売却で確定申告が必要となるのは、売却したときに売却益が生じた場合です。
売却益ということは、売れた金額から、購入した時の価格やその時にかかった費用(取得費)や、売却した時の諸経費等を差し引いたときに、売却代金がプラスになった時のことです。

特に、相続で取得した昔から所有している不動産を売却する場合には、概算取得費の5%を利用することが多く、売却金額の2割弱の所得税、住民税を支払うことになります。

一般的なサラリーマンで社会保険に加入している場合は、基本的には給与額(標準月額報酬)によって、保険料が計算されます。この場合、不動産を売却して利益が出ても、給与額は変わりませんので、影響は及びません。
ただし、旦那さんに扶養されている奥様が相続等で取得した不動産を売却した場合、所得が発生し、扶養から外れてしまう可能性があります。扶養から外れると実際の手取りの金額が減ることになりますので、この場合も少し注意しなければなりません。

自営業者等の国民健康保険加入者は特に注意が必要です。
各自治体によって、計算の方法が異なりますが、国民健康保険の保険料は「医療分保険料」「後期高齢者支援金分保険料」「介護保険料」の三つの合計額となり、その計算の中には「所得割」という所得によって保険料が決まる要素が入っています。
国民健康保険料の計算は収入や都道府県によって異なりますが、基本的には所得が増えると保険料が上がることになります。つまり不動産を売却して所得が増えると、翌年度の「国民健康保険料」が大きく上がる可能性がありますので、注意が必要です。
国民健康保険料の保険料が上限に達していない方は、売却して多額の不動産所得が発生することで、保険料が上限額になってしまう可能性があります。

後期高齢者医療制度加入者への影響
後期高齢者医療制度は、原則75歳以上の高齢者が加入することになる医療制度です。
保険料算定の計算には、国民健康保険と同じく「所得割」の要素が絡んできます。
75歳以上ということになると年金収入が主な収入になると思います。

そのために、不動産を売却した時に多額の譲渡所得が発生した場合は、現役並み所得者の区分になることもあり、窓口負担の割合が1割から3割に引き上げられることになります。

また、特別養護施設に入居している場合、入所料金が翌年だけアップする可能性があります。

売却するときに不動産の名義を選ぶことが出来ないということは、不動産を購入、相続、贈与を受けるときに誰の名義にするのかについて、しっかりと考えて決める必要があります。

相続財産の不動産を近い将来売却を行うことが決まっている場合は、サラリーマン等、健康保険加入者の名義にして、売却するほうが有利な場合もあります。

他にも、大きな売却益が出る物件を複数お持ちの方が売却を行うのであれば、同じ年に不動産を売却することで、保険料の値上がりを1年間に限定することもできます。
また、複数の不動産を保有されている場合は、譲渡損の出ている不動産と、譲渡益の出ている不動産を同じ年度に売却することも検討すべきかと思います。

ということは、相続において、誰が相続するのが良いのかを考えたときに、二次相続の税額ばかりを考えた遺産分割でなく、所得税の税率や保有している不動産をいつ売却するのか等についてもヒアリングを行って、所得税・住民税以外の、健康保険や介護保険の費用を踏まえてアドバイスをする必要がありますね。
ただ、不動産は、家族それぞれ想いがありますので、単純に税金や社会保険だけで得をするからというよりも、こういったことが将来考えられるということを伝えて、遺産分割を行う事も大切だと思います。

実際に不動産を売却する場合には、税理士や社会保険労務士の専門家の方々に相談することになるかと思いますが、基本的な考え方については、理解をしておいていただければと思います。

ファイナンシャル・プランナーとして、相続・不動産にきちんと応えることができる知識と経験を積み、ネットワークを活かして、円満な相続を実現していきましょう。

 

 


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