執筆原稿では「すごい」という言葉は使わないようにしましょう
FPユニバーシテイ 執筆講座担当の ひまわり法務FP事務所®代表の竹原庸起子です。
私が担当しているブログ記事では、毎回、FPなどの専門家が執筆の業務を受ける上で知っておきたいことを項目ごとに書いております。
今回は、専門家が書く原稿を校正している筆者が、執筆原稿のNGワード、または使い方を間違えている語句のうちよく見られるもののうち「すごい」という言葉についてお伝えします。
使ってはダメな言葉、使っていませんか?その使い方間違っていませんか?
執筆業務を受けているみなさまのご参考になさってください。
「すごく」「すごい」という言葉ですが、私も含めみなさんも日常的にこの言葉はよく使いませんか?
この言葉は、いろんな意味に捉えることができてしまう、オールマイティーであり、とりあえず使っておいたらいいという適当な言葉でもあり、執筆原稿では使ってはいけません。
では考察してみましょう。次の会話をご覧ください。
A「このお店、すごいね!」
B「うん、すごいわあ」
この会話では、なにがどう「すごい」のか、わかりませんし、すごく良いのか悪いのか、どんなお店なのか、そのお店のどの部分がどうなのか、何もわかりませんが、AさんとBさんとの会話は成り立っているのかもしれません。
A「あの仕事受けたんですか?あの高度で複雑な仕事受けるなんて。すごいですね。」
B「そうなんですよ。やめておけばよかった」
この会話ではAさんとBさんのコミュニケーションはうまくいっていないかもしれませんね。なぜならば、AさんはBさんに対して「その仕事を受けたことに対して素晴らしいですね、よかったですねというつもりで伝えているのに、Bさんは「あの仕事を受けるなんて、背伸びしすぎだろう」とAさんに言われたのだと勘違いしているようです。
ところで、「すごい」「スゴイ」「凄い」というこれらの言葉を辞典で調べてみました。
広辞苑によると下記のとおりです。
すご・い【凄い】 形容詞
- 寒く冷たく骨身にこたえるように感じられる。
- ぞっとするほど恐ろしい。気味が悪い。
- ぞっとするほど物寂しい。荒涼として身もすくむような感じである。
- 形容しがたいほどすばらしい
- 程度が並々でない。
以上より、いろいろな意味があり使用できる場面が多いことと、その中で上記の⑤の意味で使う場面が多いことがわかります。一方で、この言葉を受け取る側にとっては捉え方が様々であり、使う側と受け取る側のコミュニケーションがとりにくい言葉でもあることがわかります。
よって、執筆原稿ではこの言葉は使ってはいけないのです。
どの部分がどう良いのか悪いのか、素晴らしいのかぞっとするほど恐ろしいのか、使う側と受け取る側とで変わってしまうかもしれません。他の言葉に言い換えて原稿を書きましょう。