2020年を振り返って ファイナンシャルプランナーの独り言
FPユニバーシテイ 執筆講座担当の ひまわり法務FP事務所®代表の竹原庸起子です。
私が担当しているブログ記事では、毎回、FPなどの専門家が執筆の業務を受ける上で知っておきたいことを項目ごとに書いております。
今回はファイナンシャルプランナーとしていつもとは違う日常を過ごした今年を振りかえり、いつもと違った点を3つ挙げます。あくまで当方がファイナンシャルプランナーとして執筆依頼や相談依頼を受けていて感じたこととその例ですので、読者の皆様に当てはまるかどうかはわかりませんことを申し添えます。
1つ目 執筆依頼には必ず「コロナ禍とお金の話」を取り入れるように言われたこと
2つ目 お金を使うことに恐怖を感じる人がさらに増え、見えないものに対価を払いたくない人の価値観が変わったと見受けられたこと
3つ目 ファイナンシャルプランナーという職業の役割に変化があったこと
1つ目について
当方は雑誌、ホームページ、機関紙など多方面から原稿の執筆依頼がありますが、今年において顕著だったのは、どの依頼においても「コロナウイルス感染拡大の影響」を原稿にとりいれてほしいと言われたことです。コロナウイルス感染拡大の影響がなかった業界があるのだろうかと思うほど、どの話題にふれても何らかの影響があったのです。
例えば「相続対策の必要性」についての執筆では、コロナウイルス感染拡大の影響で労働者の思わぬ失業や経営者の業績不振の影響で、老後資金を確保する必要が高まり、「次世代のための相続対策」ではなく「自分を守るための相続対策」にシフトした書き方をしなければならなくなったことが挙げられます。コロナウイルス感染拡大によって「ひと」「もの」「かね」のいずれにおいても今年当初の予想を狂わせましたね。
2つ目について
ファイナンシャルプランナーとして相談料を受け取り、相談者の方向性や指針を示すのが仕事ですが、コロナウイルス感染拡大の影響からか今持っているお金を減らしたくないと考える人が増え、ファイナンシャルプランナーに相談料を支払うことにより得られる利益や効果がわからないと相談したくないと考える人が、さらに増えたのではないかと考えます。
例えば、「住宅ローンの見直し」についての相談では、見直しでの効果がいつ現れるのかを断言してほしい、断言できるのであれば相談料を払うのでと言われたことがあります。住宅ローンの借り換えも見直しも、長い目で見ての効果ですので、すぐに大きく得になるのではないことを説明しましたが、コロナウイルス感染拡大の影響で今の職業を継続できないかもしれないことの不安からくるのではないかと考えます。
3つ目について
ファイナンシャルプランナーという職業は、相談者に一つだけ答えを出すことが仕事なのではなく、相談者には3つ程度の案を提示し相談料を受け取るのが仕事であり、どれを選ぶのかは相談者が決めるべきだと考えております。制度の説明ができることが役割であった以前から、3つ程度の案をいかにわかりやすくかつ迅速に提示できることがファイナンシャルプランナーの役割になってきたのであり、時代の変化、環境の変化にも対応できる提案力のあるファイナンシャルプランナーが職業人として生き残れます。
コロナウイルス感染拡大の影響が収まりませんが、みなさまお体ご自愛ください