お客さまの資産の流動性を考えてみましょう。

こんにちは、相続・不動産担当のエフピーコンパスの平井寛です。本年もよろしくお願いします。

私が顧問をさせていただいているお客さまの不動産の売却案件を、昨年12月に無事終えることが出来ました。

この案件を経験して、お客さまの資産における不動産の役割、特に不動産の流動性について、FPとしてどうアドバイスをするのが良いのかを考えさせられました。

というのも、最初にお客さまが物件売却を決めたのが2016年の春頃ですので、不動産の売却完了までに、最終的に1年半以上の時間がかかってしまったからです。

 

投資・資産運用の基本は、「安全性」「流動性」「収益性」の3つの要素に優れた資産で運用することであると言われています。『財産三分法』と言われるように「預貯金」「有価証券」「不動産」に適正配分して運用する事も大切だと言われています。

不動産をこの3つの要素から考えると、

「安全性」:不動産は実物資産であり、それ自体を利用して活用することができる。また登記による公示制度があり、比較的安全性の高い資産であると言われています。

「収益性」:バブル以降の土地神話の崩壊によって、収益性については、個別の不動産によって異なりますが、インカムゲイン(賃料収入)とキャピタルゲイン(値上り益)があり、不動産の価格や賃料には物価との連動性が高く、インフレに強い資産と言われています。

「流動性」:急にお金が必要になって不動産を売却しようと思っても直ぐに換金のする事が難しい。売却を依頼してから、売却代金を手にする決済までの期間が数カ月かかることもあります。

 

今回の物件の状況を整理すると、売却にあたっての最重要なポイントは、この2点でした。

  1. 約180坪の敷地(畑)の半分に、築40年ほどのアパートが建っていて、10軒のうち5軒に入居者が住んでいる物件。
  2. 建て売り住宅用地として売却するために、土地の境界確定が必要であるが、隣接地の所有者が行方不明である。

当初、入居者が入っている現状有姿で売却を検討していたが、金額が条件にあわず、入居者に退去いただいてから売却する事に方針変更。(方針変更までに、約半年経過)

入居者の方に建物の老朽化による取り壊しのお話をして、別の物件に転居いただいて、立退き完了。(契約書における貸主からの解約条件に基づき、6カ月の猶予期間)

隣接の行方不明の所有者の問題を解決して、境界の確定手続きを経て決済。(売買契約を締結してから約半年)

ということで、売却を決めてから完了まで1年半以上の時間がかかる事になってしまいました。

教科書的には、一般的なマイホーム等の売却の場合、売却出来るまで数か月となっていますが、複雑な案件の場合、実際に売却を決めてから手元にお金が入るまで、1年以上必要である物件も数多くあります。

不動産売却においては、都市計画法や建築基準法、農地法等の法的な問題、境界の問題、借地人・借家人との関係等、自分だけで決定することが出来ない要素が沢山あります。具体的に話を進めていくと、思いもよらない問題が見つかり、問題が発生する事で、売却までの時間が更に延びたり、無理をして進める事で不動産の売却価格が必要以上に安くなる事につながってしまいます。

今回のお客さまは、資産整理の一つとして、不動産を売却するお話でしたので、時間がかかってしまっても、高く売却出来る方法をとる事が出来たのですが、相続税の支払いための売却など、時間が限られている場合には、思ったよりも相当に安い金額でないと売却出来なくなる可能性があります。

不動産を沢山所有されていて、資産の中で不動産の占める割合の高いお客さまが皆様の周りにおられませんか。まとまった土地、農地、入居中の古いアパート等、相続が発生してからでは時間に限りがありますので、資産を高い金額で売却することが出来ないことになってしまいます。お客さまの保有されている不動産をどう活用するのが良いのか、事前にFPがお客様の不動産の流動性を含めて精査して、アドバイスしていきましょう。

 

FPユニバーシティで一緒に学んで、円満な相続を実現していきましょう。

 


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